2006 年 26 巻 1 号 p. 69-73
症例は69歳の女性. 混合性結合織病, 自己免疫性肝炎で前医を通院中, 胸部CTにて肺野に多発結節影を認めた. 縦隔・肺門リンパ節に明らかな腫大はないものの, 気管支血管束の肥厚を認め肺サルコイドーシスが疑われた. 2回にわたりTBLBを施行したが確定診断に至らず, 胸腔鏡下肺生検を施行した. 結節部の組織は肺内リンパ節に相当して, このリンパ節及び周囲の肺内に類上皮細胞肉芽腫を認めた. 診断基準に照らし肺サルコイドーシスと診断した. またCT上, 下葉の胸膜直下にすりガラス影を認め, この部分の組織所見はfibrotic-NSIPであった. この所見は混合性結合織病による問質性肺炎の合併と考えられた.
今回, 混合性結合織病に合併した肺サルコイドーシスを経験した. 近年, シェーグレン症候群を初めとして, 膠原病合併のサルコイドーシスの報告が散見されるが, 混合性結合織病との合併は非常にまれであった.