2007 年 27 巻 1 号 p. 75-79
症例は51歳の女性. 頸部リンパ節腫大を主訴に某病院耳鼻咽喉科を受診した. 針生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められたため, サルコイドーシスと診断され, ステロイド治療が開始された. リンパ節は一旦縮小したが, ステロイド減量に伴い増大したため, 他病院に転院し, 外科にて局所麻酔下リンパ節生検を施行されたが, 結果は同様に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であった. ステロイドや免疫抑制剤を追加投与されたが, リンパ節は次第に増大するため当院当科に転院となった. 全身麻酔下に施行したリンパ節生検の病理組織像では非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は観察されず, 小型リンパ球様細胞を背景として, 大型で異型の強いホジキン細胞を認めた. ポジキンリンパ腫と診断し, 放射線化学療法を施行. リンパ節は著明に縮小した.
サルコイド反応を伴うポジキンリンパ腫を正確に診断するには, リンパ節生検は大切片あるいは数箇所から施行する必要があると考えられた.