2008 年 28 巻 1 号 p. 49-54
22歳男性, 母の妹と母のいとこにサルコイドーシスの家族歴がある. 発熱, 関節痛を主訴に近医を受診, 胸部X線写真上, 縦隔および肺門リンパ節腫大を認め, 当院に紹介された. CTでは肺異常陰影を認めなかった. 気管支肺胞洗浄では, 総細胞数, リンパ球分画の増加と, CD4/8比の増加を認め, 気管支鏡下肺生検にて壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスに矛盾しない所見と診断された. 特殊染色ではリンパ球のモノクローナリティは認められなかった. 解熱剤の処方のみで症状は次第に消失, 1年後の胸部X線写真では肺門リンパ節腫大も改善した. 本人と母の妹のHLAを検討したところ, A31が共通のローカスであった.