サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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結核との鑑別が問題となったサルコイドーシスの1例
高橋 歩今野 哲服部 健史大野 重昭西村 正治
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2008 年 28 巻 1 号 p. 69-74

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抄録
症例は30歳男性. 霧視を主訴に北海道大学病院眼科を受診, 結核性ぶどう膜炎もしくはサルコイドーシス疑いと診断され, 精査目的に当科紹介となった. 胸部CTにて, 縦隔, 両側肺門リンパ節の軽度腫大を認めたが, 血清ACE活性, γグロブリン値は正常範囲内であり, また, ツベルクリン反応, クオンティフェロン®TB-2G (QFT) は陽性であった. 気管支肺胞洗浄検査では, リンパ球分画は13.6%と著増はなく, CD4/CD8は0.72と低値であった. コンベックス走査式超音波気管支鏡ガイド下生検 (EBUS-TBNA) にて肉芽腫を認めたが, 両疾患の鑑別には至らず, 胸腔鏡下リンパ節生検を行い壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めてサルコイドーシスと診断した. 本症例はサルコイドーシスとして典型的でない種々の臨床検査所見を呈し, 特に結核との鑑別が問題となった. 当科で経験したサルコイドーシス患者の検査所見と共に, 考察を加え報告する.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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