2016 年 37 巻 12 号 p. 631-633
ナノマテリアルは微小な固体粒子である。粒子を構成する元素等が同じであっても,一次粒子のサイズが数十nmに微小化することによって,材料として新たな機能が発現することや分散性が向上することから生産量が増大している。ナノマテリアルの使用量は今後も増大が見込まれ,労働者の健康を維持するために労働環境におけるナノマテリアルのリスク管理は重要である。本解説では,粉じんの健康影響とリスク管理の考え方,ナノマテリアルエアロアゾルの曝露評価の考え方と曝露対策について簡単に述べる。