表面科学
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原子構造-X線による解析-
菊田 惺志
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1989 年 10 巻 10 号 p. 666-675

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抄録

従来, 表面や界面の構造評価には電子回折法が広く利用されてきた。これに対してX線を用いる方法はバルクの結晶がおもな対象であった。これはX線の原子による散乱能が電子のそれに比べて5~6桁くらい小さく, 解析可能な散乱強度を得るにはかなりの数の原子が必要なことによっていた。しかし最近, 電子ストーレッジリングからのシンクロトロン放射や高出力回転陽極型X線発生装置のような高輝度のX線源を利用することにより, 表面や界面の構造の評価が可能になった。評価法としては主としてX線表面回折法, X線定在波法と表面EXAFSが用いられている。ここでは回折法に限って, X線表面回折法とX線定在波法についてその測定原理と測定例, 最近の研究動向などを述べる。

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© 社団法人 日本表面科学会
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