最近10数年来の高分解能電子顕微鏡法の発展を, 装置・応用の両面から振り返りまとめてみた。装置面では, (1) 点分解能が0.1nm (1Å) 台に入った, (2) 高輝度のLaB6電子銃が実用化した, (3) TV観察システムやオンライン画像処理技術が発展した, (4) 微小部分析と高分解能観察の併用が1台の装置で可能となってきた, 等の点が特に重要なポイントとして挙げられた。高分解能電顕法はこれまで様々の材料へ応用され成果を挙げてきたが, 最近では高温超伝導酸化物の表面・界面の解析にも有効に用いられ, 有用な知見が得られていることがBi系及びY系超伝導体での実例をもって示された。