電極/電解質溶液界面で起る種々の反応過程の理解は, 電気化学の中心的テーマである。この理解には, 電極表面の構造を原子レベルの解像力で決定する事が極めて重要である。しかし, これまでの多くの解析手法では, 溶液中に存在する固体表面の構造を直接決定する事は不可能と考えられていた。ここで述べるin-situ STM法は, この問題点を解決する手法として発展がなされて来た。本稿においては, 電解質溶液内でのin-situ STMの最近の進歩について解説する。金属電極表面としては, 金及び白金単結晶表面について述べ, 半導体/電解質溶液界面についても述べる。