表面科学
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DLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜の形成と固体潤滑特性
日置 辰視野田 正治磯谷 彰男
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1991 年 12 巻 4 号 p. 227-232

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抄録

ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は,著しい低摩擦特性と高硬度とをあわせもつ長寿命の固体潤滑皮膜として有望である。低い温度で密着性よく皮膜形成する手段として,有機化合物の蒸着とイオン照射を併用したイオンビームアシスト蒸着法を紹介する。典型的なDLCである水素を含む非晶質炭素(a-C:H)は,真空中や乾燥雰囲気下では~0.02という著しく低い摩擦係数,μを示す。しかし水分を含む雰囲気下ではμは,0.2程度まで増大する。この水分による摩擦特性の劣化は,Siとの合金化によって著しく改善できる。すなわちa-C1-xSix:H(0.05≦x≦0.35)は,高湿度雰囲気下でもμ~0.05であり,真空中や乾燥雰囲気下ではμ≦0.02である。これらのDLCの低摩擦の機構についても考察する。

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