表面科学
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UHV-BEEMによるNiSi2/Si(111)界面の研究
長谷川 幸雄桜井 利夫
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1991 年 12 巻 7 号 p. 424-433

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抄録

BEEMはSTMを基にして開発された手法で,界面の性質一たとえば金属・半導体界面のショットキー障壁,界面での電子の透過確率など―の分布を実空間で観察できる顕微鏡である。われわれは超高真空中でこの手法を用いてNiSi2/Si(111)界面の研究を行い,ショットキー障壁の高さが異なる領域間の境界近傍でのBEEMの測定を行った。境界近傍でのショットキー障壁の高さの差は本来の差に比べ小さく,ショットキー障壁が境界近傍で平滑化されていることがわかった。このことは半導体内部でのポテンシャル分布を考慮することによって説明される。本解説では,まずBEEMについてその原理・理論・装置を述べたのち,この手法によるNiSi2/Si(111)界面の研究について解説する。

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