表面科学
Online ISSN : 1881-4743
Print ISSN : 0388-5321
ISSN-L : 0388-5321
電子励起脱離法による固体表面上の水素の高感度検知
上田 一之児玉 真二高野 暁巳
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 13 巻 6 号 p. 339-343

詳細
抄録

シリコン表面を水素によって終端化し,活性な表面を不動態化して安定なエピタキシー層や酸化層をつくろうとする試みが多くなされてきている。水素終端化の方法にはドライとウエットの方法がありノウハウもまた多数である。ところが実際にどの程度の水素が吸着しているのか推測の域を出ないものが多く,水素定量のための測定方法の開発が望まれている。本研究では清浄表面に原子状水素を吸着させて,電子励起イオン脱離法による比較的簡便な方法で半導体表面上の水素検知を高感度に行う方法について述べ,シリコンの表面処理の違いによる水素の吸着特性について述べた。また,脱離するプロトンのしきい値を測定し脱離のメカニズムについても考察した。ウエット法による終端化の例についてもふれる。

著者関連情報
© 社団法人 日本表面科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top