表面科学
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電子線ホログラフィーの磁区構造解析への応用
外村 彰
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1992 年 13 巻 9 号 p. 546-550

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抄録

電子線ホログラフィーは電子の波動性を利用した二段階の結像法である。この手法により,物体で影響を受けた電子線の波面が光の波面に変換される。いったん光に変換されてしまえば,電子顕微鏡の中では困難だったことも光学技術を駆使して可能性が開ける。実例が干渉顕微鏡である。サンプルを透過した電子線の位相変化が等高線の形で表示される。サンプルが磁場の場合,等高線は磁力線に沿い,しかも一定の微小磁束(h/e)ごとに現れる。この手法によって,強磁性薄膜や微粒子の磁区構造や超伝導体を貫く磁力線が詳細に定量的に観察できるようになった。

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© 社団法人 日本表面科学会
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