表面科学
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動的非線形応答を利用した多成分ガスセンシング
加藤 陽
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1996 年 17 巻 6 号 p. 335-340

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抄録

 動的非線形情報を活用する新しいタイプの化学センサーについての研究を紹介する。従来の考え方では, 専ら線形平衡量のみを計測し化学種を判断しようとしていたと思われる。それに対し, 動的非線形な時系列情報を用いると, 情報次元が拡大し, 単一のセンサーであっても複数の化学種を識別できる。その一例として, 半導体ガスセンサーのヒーター部分に周期的な温度変化を加え, その応答を定量的に解析することにより, ガスの定性・定量が同時に行う実験系を紹介する。また小型で熱に対する温度追従性が著しく良いセンサーを用い, 0.1sec以下の短い時間でもガスの定性・定量が可能であることを示す。

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© 社団法人 日本表面科学会
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