通常の熱触媒反応において,炭化水素類の部分酸化に有効な触媒成分である酸化バナジウム,酸化ニオブ,酸化チタンを広表面積(約600m2g-1)のシリカに高分散担持させた触媒は特異な光触媒作用を示す。この光触媒作用は遷移金属の酸化物種がシリカ上でバルク結晶では実現されない局所構造を採ることと密接な関連があるが,この局所構造はX線吸収法で最も的確に解析することができる。高分散担持触媒の調製法も含め,これらの光触媒作用の特徴と,X線吸収法によって明らかとなった活性種の構造について筆者の研究室で得られた結果を紹介する。