1997 年 14 巻 2 号 p. 2_175-2_179
古典命題論理のある特殊な形をした証明(μ冠頭形証明)の存在性の例外処理のプログラムへの応用について報告する.μ冠頭形証明は,シーケント計算LKにおける右減の規則の使われ方に関する考察から得られた概念である.任意の古典的命題論理の定理に対してこのμ冠頭形証明が存在することにより,シーケントの右側には高々2つの論理式の出現を許せば十分であることがわかった.カリー・ハーワードの同型により,このμ冠頭形証明に例外処理のプログラムとしての計算的意味が自然に割り当てられることを関数型言語MLでの例を用いて示す.