2000 年 18-0 巻 p. 60-77
一般部分計算法は,プログラムの入力データに関する部分的情報,利用する補助関数の抽象データ型およびプログラム自身の論理構造を利用してプログラムをより能率の良いものに変換するプログラム変換法である。それは古典的な部分計算(または部分評価)に加えて,一種の推論機能(例えば定理証明器)を利用する。従って,従来のいわゆるオンライン部分計算を完全に包含しているが,推論機能の複雑さ(即ち,重さ)故に,一般部分計算法に基づくプログラム変換システムの実用化が困難視されてきた。我々は,一般部分計算法に基づいた自動プログラム変換システムWSDFUを試作したので,その能力,構造,定理証明器および実用化のための課題について報告する。