コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
LMNtal実行時処理系の並列モデル検査器への発展
後町 将人堀 泰祐上田 和紀
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 28 巻 4 号 p. 4_137-4_157

詳細
抄録

モデル検査は,状態遷移系の振舞いから不具合の探索を網羅的に行うシステム検証技術として注目を集めている.階層グラフ書換えに基づく状態遷移系記述言語LMNtalは,実行時処理系SLIMを拡張する形でモデル検査器へと発展してきた.階層グラフ構造は,状態空間探索において重要となる対称性吸収メカニズムを備えた強力なデータ構造であるが,それでもなおモデル検査は状態空間爆発を招きやすく,時間と空間の両面で効率的な状態管理方式を必要としていた.この問題に対処してモデル検査器としての有用性を高めるべく,我々は共有メモリ環境を対象にした並列モデル検査器への拡張と状態管理の最適化手法の開発に取り組み,LMNtalをモデル記述言語としたモデル検査の検証規模拡大と高速化を実現した.

著者関連情報
© 日本ソフトウェア科学会 2011
前の記事 次の記事
feedback
Top