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Print ISSN : 0289-6540
日本語の待遇表現の解析と状況意味論
杉村 領一
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1986 年 3 巻 4 号 p. 4_350-4_358

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抄録

状況意味論に基づいて日本語の待遇表現の意味を記述し,単一性の観点から,形態素処理を形態素単一化処理と構文要素内単一化処理に,構文解析処理を構文要素間単一化処理と文内単一化処理に,文脈処理を文間単一化処理と談話の単一化処理と実世界における単一化処理に,各々分けて論じる.そして,各々の処理がその層において単一化を基本的な機能に持ち,相互に関連していることを示す.構文解析については,構文論に渡辺の文法を枠組みとして用いる.文脈処理については,まず水谷の待遇表現のモデルを状況意味論の枠組みで記述したものを示す.そして構文要素の持つ意味表現と文脈との単一性の観点から整理を行う.解析処理においては論理型言語CILを紹介し,本言語が自然言語の処理に必要十分な機能を有していることを示すとともに,処理例を示しロジックプログラミングの有用性についてふれる.

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© 1986, 日本ソフトウェア科学会
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