2019 年 36 巻 3 号 p. 3_20-3_32
本論文では,スマートフォン及びスマートウォッチにおいて,通常のタッチ入力動作とは対称的な,“デバイス側を指に向けて移動させる動作”によりデバイス画面と指を接触させ,タッチ入力を拡張する手法“Copernican-Touch”を提案する.本手法はタッチ入力発生直前(500ms)までのデバイスの動きによる,加速度センサ及びジャイロセンサ等の値を用い,タッチした直後に待機時間なく対応するコマンドを実行可能とする.本論文では,提案手法実現のための初期的な調査を行い,機械学習によりスマートフォンにおいて87%・スマートウォッチにおいて88%の精度が得られることを示した.また,提案手法のタッチ入力により画面上の特定の位置を正確に指示することが困難であるなどのユーザフィードバックを参考に,実現可能なアプリケーションについて議論する.