2021 年 38 巻 1 号 p. 1_52-1_64
PBLでは受講生の社会人基礎力向上に対する質的評価の困難さがしばしば指摘されている.本研究では,PBLの質的評価に対する一つの取り組みとして,受講生の自己評価と第三者による客観評価を用いることで,受講生の成長を評価するとともに,授業改善に活かす手法について提案している.提案手法では受講生がPBL受講前後に行った主観評価による自己把握の妥当性を客観評価にもとづき評価,検討することで,PBLにおける質的評価の実現を目指す.本稿では2017年度,2018年度に行ったPBLに対し,受講の前後に行った社会人基礎力に関する自己評価およびPROGコンピテンシーテストによる客観評価を用いて,提案手法による評価を行った結果について報告する.