データ構造“木”は, 式の解析などで用いる構文木や, XMLなどの構造をもった文書などで使用される有用なデータ構造であるが, 構造が不規則・不均等になりうるために, 均衡がとれていない木は簡単には並列プログラムに組み込むことができなかった. 本稿では, “木”に対する並列スケルトンについて, 分散システム上でも効率よく実行できる実装法を提案する. 本稿の実装法では, m-bridgeを利用して木を分割し, 分割された先の値を表す変数を含む式の形で計算することにより, 並列に計算を行うことが可能になっている. また, 実験を行い, 均衡のとれていない木に対しても効率性が確認された.