主催: 日本ソフトウェア科学会
広く一般に用いられているソフトウェアは,ソフトウェアの動作が安定している.そのため,これらのソフトウェアのソースコードにはソフトウェアを安定して動作させるノウハウが蓄積されていると考えられる.本稿では,これらのソフトウェアからライブラリの利用パターンを取得する手法を提案する.提案手法では,ソースプログラムからライブラリ関数呼出に着目し,データ依存関係および制御依存関係を抽出した関数呼出依存グラフを用いる.このグラフを基に個々のライブラリ関数の引数に与えるべき値,戻り値の検査の必要性の有無などのライブラリの利用パターンを抽出する手法を提案する.既存のソフトウェアからライブラリの利用パターンを抽出した結果,ライブラリの引数に他のどのライブラリの戻り値を与えるかがパターン化されている事が確認でき,コーディング検査にこれらのパターンを有効に利用できる事を確認した.