主催: 日本ソフトウェア科学会
本研究では、プログラムの動作の意味を、そのソースコードから時相論理式として抽象化し、それを用いてデッドロックが起きることがない等の動作仕様をプログラムが満たしているかを効率的に判定する自動的な方法を提案する。特に、並行プログラムに焦点を当て、その部分的意味を論理式で表現する手続きを与えた。この手続きはプログラムの同期に関係する記述や、条件分岐の記述などの処理に関わるものの中で特に動作に影響を与える記述を境界として、コードレベルでプログラムを領域分解し、その領域間のスレッドの動きに注目することでプログラムの動作に関する意味を論理式に変換するものである。この論理式から仕様を記述した論理式が推論できるかどうかによってプログラムの正しさが検証される。