2022 年 52 巻 2 号 p. 9-16
本研究の目的は、高度経済成長期という転換期に養成工制度がどのような中学卒養成工の意識と企業側のニーズを結びつけたのかを解明し、養成工制度の歴史的意義を検討することにある。本研究では、「働く青少年の生活文」や企業資料(日本鋼管)に基づき、家計状況に基づく労働供給(貧困などの「家庭の事情」がある中で働きながら学びたいという希望)と企業側のニーズ(新規設備に適応できる、忠誠心をもった将来の中堅工・幹部工員の育成)を高度経済成長期に養成工制度が円滑に結びつけたことなどが明らかにされた。