1999 年 29 巻 2 号 p. 1-10
キャリア形成支援の焦点は、キャリア・アンカーを明確にし自分に適した職業を見つけることであった。しかし、社会や組織から様々な制約があり、キャリア・アンカーを明確にしただけでキャリア形成はできない。実現可能にするためには、状況との絶え間ないネゴシエーションが必要である。職業的Identityはこうしたネゴシエーションの結果現れる自己の状態である。今後のキャリア形成においては、キャリア・アンカーとともにネゴシエーションおよび職業的Identityへも焦点をあてる必要性を、先行研究および調査研究により明らかにした。