2004 年 34 巻 1 号 p. 59-66
雑誌『初歩のラジオ』が,新設直後の技術科(電気)の教育に対して抱いていた内容的な期待の一端を,当時の「ジュニア電気教室」シリーズの内容を中心に分析した結果,電気の基礎・基本からエレクトロニクス技術の実際までを扱う,理科や数学科の学習成果も十分に活用するなど,いくつかの点で期待を抱いていたことが明らかになった。それらは,技術科教育に関して,当時の公的,指導的立場にあった人々の期待の一端でもあり,当時の技術科教育実践の形成と展開・定着に,全国的な規模で一定程度影響を与えたであろうと考えられる。