2005 年 35 巻 1 号 p. 50-57
本稿は、上原六四郎、岡山秀吉、阿部七五三吉が執筆担当した師範学校手工科用検定教科書の内容を分析し、同検定教科書における手工科教育の実習の内容的な特徴を究明した。同検定教科書における手工科の実習では、「木工」や、「金工」、「竹細工」から「コンクリート工」等までの広範な分野にわたって、道具ばかりでなく機械を含む多面的な作業と知識の精通が図られるとともに、教授法の点で、製作過程の分析に基づき教えるべき作業と知識を合理的に選択・配列し、それらを総合して教材としての製作課題に構成することが図られていた。