長野県長野中学校卒業生の<進学-就職> : 『創立二十五年記念帖』より

抄録

本稿では、長野県長野中学校編『創立二十五年記念帖』(大正13年)をもとに、卒業者の進路分析を行った。個人レベルの<進学-就職>に着目することを通して、中学校を経由した就職の詳細を明らかにした。本稿の分析を通して、(1)およそ3分の2は卒業後、県外の官立専門学校や帝国大学へ進学したこと、(2)専門学校進学者は県外で医学等を学び、県内で医療に従事するケースが多かったこと、(3)帝国大学まで進学した者の多くは法学、医学、工学など幅広い分野を修め、その後、県外でおもに国家事務に従事したこと、などが明らかになった。