社会福祉学
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「青い芝の会」における知的障害者観の変容 : もう1つの転換点として
廣野 俊輔
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2009 年 50 巻 3 号 p. 18-28

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抄録

本稿の目的は,「青い芝の会」における知的障害者観の変容を記述しその背景を示すことである.先行研究においては「青い芝の会」が1970年に転換したとされているが,知的障害者観に関する言及はほとんどない.分析の結果,次のことが明らかとなった.会においては,発足当初から知的障害者と脳性マヒ者が混同されることに強い危機感を覚えていた.そしてそのような混同に対しては抗議を行っていた.1960年代後半ごろから知的障害者が同じ人間として尊重されるべきであり,過度に区別を要求することが差別につながるという認識をされるようになった.また,差別をされている自分たちが,差別をする側に立ち得るのではないかという認識もみられた.また,この変容の背景を分析した結果として次の要因を指摘した.第1に会における福祉サービスに対する権利意識の高まりであり,第2に学生運動における議論の影響である.

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© 2009 一般社団法人 日本社会福祉学会
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