社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
Print ISSN : 0911-0232
論文
民間シェルターを利用した児童福祉施設退所女性へのソーシャルワークによる支援過程に関する研究――複線径路・等至性モデル(TEM)による分析から――
神山 典子
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2020 年 61 巻 2 号 p. 71-89

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抄録

本研究は,児童福祉施設以外で取り組まれる退所女性への支援実態を検証するため,民間シェルターでフィールドワークを実施し,ソーシャルワークによる支援過程の解析を目指した.支援記録とフィールドノーツをもとに,複線径路・等至性モデル(TEM)を用いて8世帯を分析した.その結果,信頼関係の醸成や社会資源の活用を経て,生活課題と対峙し,今後の生き方を決めた二つの径路と,生活課題の直視を促す作業を経ても変化のなかった径路に3分類できた.また,見守りながら信頼関係を形成した1人に,ジェンダー・バイアスとの対峙に変化が生じる可能性を見いだした.さらに,退所女性個人の人生観や生活観,それに伴うリスクなどを考慮した退所施設などの活用が明らかになった.以上から,退所女性が適切な支援を享受できるよう,退所施設だけによらないさまざまなソーシャルワーク実践場で,退所者支援を充実させる積極的是正措置として「積極的支援」を提案した.

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© 2020 一般社団法人 日本社会福祉学会
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