2025 年 66 巻 2 号 p. 78-94
本研究では,ソーシャルアクションの実践方法を検討するため,NPO法人「しあわせなみだ」による「障害のある人を取り残さない刑法性犯罪改正」事業を対象に,実践家の参加によるプログラム評価を実施した.評価可能性アセスメントおよびプロセス評価・アウトカム評価を実施した結果,本事業のアウトカムである「障害を知りうる立場に乗じた性犯罪既定の創設」については,課題は残されたものの,ある程度達成できたと結論された.また,評価結果から,効果的なソーシャルアクションの実践方法は,「課題の設定と目標設定」,「活動の組織化」,「多様な組織・人々への働きかけ」,「プロセス評価の実施による事業の見直し」の4つに整理された.さらに,ソーシャルアクションにおける非当事者・団体やソーシャルワーカーの果たすべき意義が示唆された.今後,ソーシャルアクションについての十分な実践的裏付けのある実践方法が確立されることが必要である.