移植
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腎移植診療の内科連携 〜聖マリアンナ医科大学の10年の成果〜
谷澤 雅彦
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 122_1

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抄録

当院は1998年から腎泌尿器外科が腎移植を開始し、2003年に腎臓病センターが設立され、2008年に同一階に透析室、腎臓内科・泌尿器科病棟が設置された。その頃より腎臓内科医が腎移植の実臨床へ参画し、10年以上が経過した。現在は末期腎不全患者への腎移植のオプション提示は、若手腎臓内科医達には『当たり前』となり、生体腎ドナーとレシピエントの術前評価は、末期腎不全患者を移植へ送り出す腎臓内科医として責任を持ち、厳格に行ってきた。移植をsubspecialtyとしている内科医達は生体腎ドナーの長期管理とレシピエントの管理も腎泌尿器外科と共同で行い、内科医の強みを生かす生活習慣病と慢性腎臓病合併症管理に特に力を入れている。外科と内科のお互いのstrong pointを生かし、主治医制とはせず、交互外来受診として多角的に管理している。またgraft loss症例に対しては、透析再導入期のCKD-T管理、PD/HD/再移植の選択、vascular accessの準備、スムーズな透析導入が滞りなく行えるように注力している。また今後の腎移植をsubspecialtyとする若手腎臓内科医の育成も重要であると考えている。腎移植の研鑽を積むことによって一般慢性腎臓病管理に幅がでるようになることを伝えている。大規模移植施設ではない、大学病院の腎臓内科医としての腎移植への関わりの実例をご報告させていただく。

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