移植
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温阻血時間と肝移植後胆管狭窄の有意な相関
坂元 克考小川 晃平田村 圭曽我部 恭成新恵 幹也西 悠介松井 貴司浦岡 未央永岡 智之本庄 真彦船水 尚武高田 泰次
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2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s385_2

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抄録

はじめに:肝移植後の胆管狭窄は未だ解決されていない問題である。当科における肝移植症例において術後胆管狭窄に関与する因子を検討した。

方法:2010年1月から2021年12月までの肝移植症例を後方視的に検討。90日以内死亡11例を除外した68例に関して、胆管狭窄の頻度や発生時期と、それに関与する周術期因子を検討した。胆管狭窄の定義は内視鏡的もしくは経皮的ステント留置を要した症例と定義した。

結果:胆管狭窄は、25例(36.8%)に発生し、その発生時期は中央値107日(範囲42日―1162日)であった。単変量解析(カイ二乗検定およびMann-Whitney U検定)において、性別男性(P=0.033)・術後合併症発生率(Clavien-Dindo分類3以上)(P=0.010)・胆汁漏発生率(P=0.022)が有意に胆管狭窄症例で高く、手術時間(P=0.014)・出血量(P=0.017)・赤血球輸血単位数(P=0.016)・温阻血時間(P=0.002)が胆管狭窄症例で有意に大きかった。術前MELDスコアや術後拒絶反応、ABO不適合の有無・冷阻血時間・再建胆管数は、胆管狭窄発生の有無で有意差を認めなかった。胆管狭窄発生率をKaplan-Meier法で求めると、Log-rank検定では、術後合併症発生(P=0.007)・胆汁漏発生(P<0.001)・出血量>68mL/kg(P=0.004)・赤血球輸血≥10単位(P=0.007)・温阻血時間>47分(P=0.002)の群で有意に胆管狭窄発生率が高かった。多変量解析(Coxハザードモデル)では、胆汁漏発生と温阻血時間>47分が独立危険因子であった(ハザード比5.585、3.798;95%信頼区間1.849―16.882、1.459―9.884)。

結語:長時間の温阻血は、術後胆管狭窄の発生に関与する。

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