2022 年 57 巻 Supplement 号 p. s386_3
【目的】ABO血液型不適合移植の成績は当初極めて予後不良であったがリツキシマブ導入後は血液型一致・適合移植と遜色のない成績となり、肝移植症例登録報告でも成人生体肝移植の12.3%が血液型不適合移植である。今回、リツキサン時代における当院でのABO血液型不適合移植について検討した。
【方法】対象は2006年1月から2021年12月までに当院で生体肝移植を受けた成人513例の内、血液型不適合生体肝移植を受けた121例について細胞性拒絶、抗体関連拒絶の有無や移植後の累積生存率について検討した。
【結果】血液型不適合生体肝移植を受けたのは121例で23.6%であった。症例の内訳は男性54例、女性67例で年齢中央値は53.9歳(四分位点40.9歳-59.3歳)、リツキサン投与を受けたのは119例(98.3%)であった。細胞性拒絶は45例(37.2%)、抗体関連拒絶は27例(22.3%)に認められた。5年生存率は血液型一致・適合移植で81.1%、不適合移植では70.6%であった。血液型不適合移植における抗体関連拒絶を起こさなかった症例の5年生存率は77.2%であったのに対して体関連拒絶を起こしたでは47.9%でと有意に予後不良であった(p=0.005)。一方、細胞性拒絶の有無では5年生存率に有意な差を認めなかった(p=0.468)。
【結語】血液型不適合移植の成績はリツキシマブ導入によって著明に改善したが、抗体関連拒絶反応発症例の予後は不良である。抗体関連型拒絶反応予防のための最適なプロトコールの確立や新たな治療薬の開発が求められる。