移植
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これからの移植医療が発展するために女性医師の有用性と必要性は何か
中川 由紀小笠 大起野崎 大司知名 俊幸河野 春奈清水 史孝磯谷 周二永田 政義武藤 智毎熊 将行堀江 重郎
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s217_2

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抄録

医学部の約3割を超え大学によっては半数を女性が占めるようになった現在、各学会女性医師の占める割合は増加傾向にあり、多くの学会で、女性医師を増やし、女性医師の離職を防ぐための試みがされている。泌尿器科を専門とする女性医師の割合はわずか2006年3.5%(約300人/8000人)に過ぎず、全国の医師数全体の0.5%でしかなかった。男女共同参画委員会(現在のダイバーシテイー委員会)設立し、さまざまな学会内外で活動した結果、2022年12月には11%まで増加した。移植学会では、さまざまな科の医師やコーデイネーターなど複数の職種で成り立っているため、女性会員の割合は他の学会に比べて変わりないように見えるが、女性医師の会員数は非常に少なく、国内外における女性医師のための活動は希ではある。国外においては, 2009年TSSにおいてWomen in Transplantationが発足され、2012年には45カ国に移植医療を専門とする400人以上の女性医師が参加している。その活動は、ヨーロッパ移植学会、アメリカ移植学会、国際移植学会を中心に国を越えての移植医療を専門とする外科医、内科医、病理医、基礎研究医師、更には看護士をメンバーとし、国際的に広範囲な活動がなされている。女性医師の割合が、近い将来半数を占めるようになる我が国でも、移植医療が発展するためにはどのように女性医師を活用し、活躍する場を使うっていくか、問題点をあげ検討していきたい。

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