移植
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Fontan術後症例の心臓移植適応基準における心室拡張末期圧の意義
木戸 高志久呉 洋介渡邊 卓次平 将生石井 良石田 秀和成田 淳美馬 響世良 英子上野 高義坂田 泰史宮川 繁
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s195_2

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抄録

(目的)Fontan術後症例の心臓移植適応基準における心室拡張末期圧の意義を検討すること。(方法)当院で2006年以降に診療を行った10歳以上のFontan術後症例を対象とし、後方視的検討を行った。(結果)対象は61例。診断はTA 13, DILV 5, uAVSD 9, MA 6, Ebstein 6, HLHS 4, PAIVS 3, その他15。Fontan手術は中央値4.6(IQR2.4-7.6)歳で施行し、術式はAPC 7, LT-TCPC 16, EC-TCPC 34, Bjork 4。再手術は26例で、TCPC conversion 17, TCPC revision 3, DKS 4, 房室弁手術 2。死亡は7例で、1例が心室性不整脈、1例が卵巣悪性腫瘍、他5例は肝硬変を伴う死亡。Fontan術後生存54例のうち、7例に不可逆的臓器障害(肝硬変 6, PLE 1)を認めた。不可逆的臓器障害を認めた12例のうち、10例(83%)は臓器障害発生の3.1(IQR2.3-5.2)年前に心臓カテーテル検査にてhigh SVEDP (>12mmHg)を認めた。Cox比例ハザード解析にてFontan術後の不可逆的臓器障害の関連因子は、Fontan時年齢(HR1.08, p value 0.02), Fontan術後21(IQR13-30)年後の心臓カテーテル検査でのhigh SVEDP(>12mmHg) (HR 5.27, p value 0.02)であった。Fontan術後に不可逆的臓器障害を認めず経過観察をしている47例のうち、high SVEDP(>12mmHg)は14例(30%)に認められた。(結語)Fontan術後のhigh SVEDP(>12mmHg)は不可逆的臓器障害の有意な関連因子であり、心臓移植適応基準を考える上で有用な指標と考えられた。

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