移植
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移植後腎性貧血におけるESAからHIF-PH阻害薬への切り替え症例の検討
尾本 和也海上 耕平平井 敏仁清水 朋一乾 政志高木 敏男石田 英樹
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s327_2

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抄録

【目的】移植後腎性貧血(PTRA)におけるHIF-PHIは低酸素に対する防御機構を誘導し生体保護効果が期待される。一方でESAもPTRAに対する有用性がこれまで報告されている。今回ESAよりHIF-HPIへ切り替えたPTRA症例に対する有効性を評価した。【方法】余丁町クリニック通院中の腎移植後RTRA合併症例に対して、1年以上ESAを投与されている症例に対してHIF-PHIに切り替え後、6か月以上内服継続中の95例(ロキサデュスタット: Rox 45例、ダプロデュスタット: Dap 50例)を対象とし、投与前後における貧血の改善、費用対効果の検討を行った。【結果】投与後1年の血中ヘモグロビン(Hb)平均値はRox、Dapともに投与前値と比較してそれぞれ有意に上昇した(11.2→12.9 g/dL、11.0→12.5 g/dL)。また、ESA使用量の多い症例(ESA抵抗指数: ERI>0.02 μg/週/体重xHb)からの切り替えにおいても、Rox、Dapともに投与前値と比較してそれぞれ有意に上昇した(11.0→12.4 g/dL、10.7→12.0 g/dL)。一方で費用についてはRox、DapともにESAから切り替えることによって有意に医療費が上昇する結果(Rox: 9,154→12,352円/月、Dap: 9,282→11,614円/月)となったが、ERIが高い症例においては医療費が逆に安くなる傾向にあった(Rox: 14,839→14,356円/月、Dap: 14,291→13,459円/月)。【結語】ERIが高い症例におけるESAからHIF-PHIへの切り替えは、貧血および医療費改善に関して有用である。

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