2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s350_3
【目的】A病院では年間50件の肝移植術を行っており、肝移植患者用パンフレットを術前より配付している。しかし、既存のパンフレットは退院後の生活指導が主で、術前から術直後の内容が不十分であった。そこで、患者が術前から術後についてイメージしやすく、心身の準備を手助けできるパンフレットへの改正が必要だと考えた。今回、効果的かつ実用的なパンフレットを目指し、多職種で改正に取り組んだ。【方法】理学療法士や栄養士など多職種と連携を図り、各専門分野で現在行っている指導内容を取りまとめ、改正した。改正後に、B病棟看護師24名へ無記名選択・記述式アンケート調査を行い、パンフレットを評価した。【結果】改正後の内容は、術前は自宅で出来るリハビリ等の生活指導を取り入れ、術後はドレーン挿入の様子や回復段階に応じた患者の写真、リハビリの様子を追加した。看護師のアンケートでは、「写真の挿入により患者が術後の状況をイメージしやすくなった」「術前からリハビリをする人も増えると思う」「統一した案内・説明が出来るようになる」等の意見があった。【考察】パンフレットは、術前から術後の退院指導までの流れを、写真を取り入れながら改正したことで、患者が術前から肝移植のイメージを持ちやすくなったと考える。また、多職種でパンフレットを改正したことで、看護師だけでなく多職種が共通のパンフレットを活用し、患者の指導を行うことに繋がると考える。