抄録
1977年より79年にわたって, スーダン国中部砂漠の極端に高温乾燥地において, 雨期と乾期に, 品種試験を行った.
1.この極度の高温乾燥地においても, 品種によっては, スーダンの従来の最高記録をはるかに超える9~10t/haの収量をあげ得ることがわかった.
2.この地における稲の生育上の最大特徴は, すべての品種が短稈となることであった.この理由は不明であるが, 恐らく極度の高温乾燥か, 強すぎるほどの日射か, または土壌およびかんがい水のpHが高すぎる (8.5) ことによると思われる.
3.品種の収量は一般にm2当たりもみ数に強く支配されることがわかった.したがって, この地では, m2当たりもみ数を多くつける品種が高収量をあげやすい.
4.m2当たりもみ数 (1穂もみ数とm2当たり穂数の積) は, ここでは1穂もみ数に強く支配されることがわかった.このことは, 1穂もみ数の多い品種が多収品種となりやすいことを意味する.したがって, この試験の範囲内では, 一般的に穂重型品種が穂数型品種より, この地にはより適するものとみられよう.
5.多数の品種につき, 雨期と乾期の収量を比較した結果, 雨期と乾期の間には, 0.62の相関係数が得られ, 雨期に多収なものは, 乾期にも多収となり, 特に乾期または雨期に適すると認められる品種は発見し得なかった.ただし, 多少は乾期向き, または雨期向きとみられる品種は存在するかとみられた.
6.雨期と乾期の試験から得られた材料を用い白米の品質検定を行った結果, 品種間に大きな差異が認められた.しかし, 雨期で良質の品種は乾期にも良質で, 精米の品質は主に遺伝的因子に支配され, 栽培時期によって変わることは少ないものとみられた.
7.収量, 品質, 熱乾風害および病害に対する抵抗性などを考慮して, 次の品種 (または系統) を, この当座の奨励品種として選んだ.
BG90-2, TOS103, IR24, IR22, IR2053, IR298-12, IR1561, IR2153