熱帯農業
Online ISSN : 2185-0259
Print ISSN : 0021-5260
ISSN-L : 0021-5260
日本産チガヤの地方集団への適応的分化
冨永 達小林 央往植木 邦和
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 34 巻 4 号 p. 250-254

詳細
抄録

北海道から沖縄県に至る各地で採集し系統維持してきたチガヤ (Imperata cylindrica) の52クローンにっいて, 各クローンの萌芽, 出穂および地上部の枯死期を調査した.また, 各クローンの5分株個体について, 草丈, 分株数, 根茎数および器官別乾物重を測定した.
10形質 (草丈, 全乾重, 分株数, 根茎数, 根茎長, 根茎への乾物分配率, 移植後萌芽, 出穂, および枯死までの日数, 萌芽から枯死までの日数) の形質問相関行列に基づく主成分分析を行った.ただし, 出穂しなかった北海道および秋田県由来の2クローン, 冬期も枯死しなかった奄美大島および沖縄県由来の3クローンの計5クローンは分析から除いた.
第1, 第2および第3主成分は, 草丈およびフェノロジー, 根茎長および根茎数, 根茎への乾物分配率をそれぞれ表現していると推定された.主成分分析の結果, 第1から第3主成分までの累積寄与率は84.4%に達した.47クローンは, A群) 東北北部由来の, 小型で出芽が最も遅い, I.cylinclrica var. genuina, B群) A, C群の中間的な特性を示す, 東北南部から九州北部由来のI. cylindica var. koenigiiおよび C群) 九州南部由来の, 大型で地上部の枯死時期が最も遅い, I. cylindrica var. koenigiiの3群に類別された.

著者関連情報
© 日本熱帯農業学会
前の記事 次の記事
feedback
Top