熱帯農業
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アボカド花粉の形態と稔性
井上 弘明高橋 文次郎白戸 一士
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1992 年 36 巻 1 号 p. 45-50

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抄録
アボカドの花粉の形態を走査型電子顕微鏡にて観察し, 稔性調査は酢酸カーミン染色法により光学顕微鏡にて行った.乾燥花粉はほぼ球形であり, 一部に変形花粉が観察された.花粉の外壁表面には多くの刺状の突起をもつものと顆粒状の突起をもつものがあり, 品種によって異なっていた.発芽孔は外部からは観察されず, 2核性の花粉であった.花粉稔性率は‘Fuerte’が高く, ついで, ‘Zutano’, ‘Bacon’で, ‘Mexicola’が最も低かった.また, 各品種とも開花前より開花中の稔性率が高かった.花粉の大きさは, 稔性花粉が不稔花粉より大きい.4品種とも, 直径が25~72μmの範囲に分布し, 稔性花粉においては‘Fuerte’は44μm, ‘Zutano’は39μm, ‘Bacon’は37μmにピークがあった.‘Mexicola’のピークは認められなかった.なお, 供試品種の内稔性率が高く, 花粉の大きい品種ほど収量が高い傾向がみられた.
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© 日本熱帯農業学会
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