熱帯農業
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形態的特性とRAPDマーカーによるアセロラ (Malpighia glabra Linn.) 栽培品種の品種分類
Abul Kashem CHOWDHURY米本 仁巳加藤 秀憲Mustad Malid MACHA
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2005 年 49 巻 4 号 p. 255-263

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抄録

沖縄県と鹿児島県で栽培されているアセロラの栽培品種‘Okinawa Sweet’と‘Kagoshima Sweet’の品種同定を目的に, 形態的特性とRAPDマーカーを用いて国際農林水産業研究センター沖縄支所 (JIRCAS) にハワイから導入されている7品種と比較した. 形態的特性から全品種を識別することは出来なかったが, 24個のプライマーから増幅された57個のRAPDマーカーを用いることで全品種の識別が可能となった. 全品種を2品種ごとに分け, 遺伝的類似性をJaccardの相関係数で検討した結果, 形態的特性での相関係数は0.00~1.00 (平均0.304) , RAPDマーカーでは0.077~0.967 (平均0.406) で, 両マーカーでの類似性係数には1%水準で有意な相関がみられた.形態的特性およびRAPDマーカーによる系統樹は類似しており, RAPDマーカーによる系統樹で9品種は大きく2つのグループに分けられた.‘Hawaiian Queen’, ‘Manoa Sweet’, ‘Kagoshima Sweet’および‘Okinawa Sweet’の4品種間には形態的特性およびRAPDマーカーでの識別で遺伝的に非常に近い近縁関係がみられた.

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