2015 年 1 巻 5 号 p. 19-28
従来用いられているラウンドアバウト流入交通容量の推定手法は,海外で標準的な道路構造や利用者挙動を前提としているが,日本においては用地制約等の都合上,流出入部分離島が必ずしも設置されないことも多く,これにより横断歩行者挙動やその交通容量への影響が海外諸国と異なる場合がある.本論文では,日本における各種条件が流入交通容量に与える影響についてシミュレーション分析を行い,それらの結果を用いて流入交通容量を推定する重回帰モデルを構築した.そして,これを軽井沢町六本辻ラウンドアバウトで観測されたデータを用いて検証するとともに,既往の手法との比較を行った.その結果,提案する手法では高い精度で各種条件における流入交通容量を推定可能であるのに対して,既往の方法では過大推計となることが示された.