2024 年 10 巻 1 号 p. A_324-A_332
円滑で安全な交差点を実現するためには,信号灯器位置が重要な要素である.信号灯器位置(far タイプと near タイプ)を変更することで,自動運転,交差点での信号制御など交差点通過前後の運転挙動に影響を及ぼす可能性がある.しかし,様々な信号制御についての信号灯器位置を考慮した分析の知見は十分に得られていない.そこで本研究では,ドライビングシミュレータを用いた模擬走行実験のデータを用いて,信号灯器位置を比較した条件下で,信号制御を変更した際の車両挙動分析を行った.その結果.far タイプの一部の信号制御において,危険性が増大する運転挙動になりやすい一方,near タイプではいずれの信号制御においても危険性が増大する運転挙動の割合が far に比べて低くなることなど,信号灯器位置の違いに伴う運転挙動の特性が明らかとなった.