交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号A(研究論文)
ドライバーの停止挙動に対する正の強化子の変化とその般化分析
白柳 洋俊田地 竣坪田 隆宏倉内 慎也吉井 稔雄
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 4 巻 1 号 p. A_106-A_112

詳細
抄録

本研究は,実走行と DS 内での走行挙動の乖離が運転経験に依存して変化するとの推察の下,運転経験を重ねることによって運転行動を支配する正の強化子に変化が生じること,ならびに運転経験を重ねることによって獲得的運転行動が般化する,との仮説を措定し,停止挙動を対象に,実走行実験と DS 走行実験により両仮説を検証する.実験の結果,運転経験に乏しいドライバーが停止時間に基づいて停止挙動を行うのに対して,経験豊富なドライバーは減速度を考慮して停止挙動を行うことを示し,これは各ドライバーの正の強化子に差異によるものである可能性を指摘した.また,経験豊富なドライバーは実走行時と DS 走行時におけるブレーキ操作が一致,すなわち運転行動が般化していることを示唆する結果が得られた.一方の経験が乏しいドライバーではブレーキ操作が一致しないとの結果が得られた.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 交通工学研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top