2019 年 5 巻 2 号 p. A_108-A_117
近年、モノの消費やサービスの利用を複数の人々が共同して行うシステムであるシェアリング・エコノミーが急速に普及している。交通分野においても複数の人で乗車と移動を共有するライドシェアが様々な形で広がっている。ライドシェアは資源の有効活用であり、個人の移動費用の削減だけでなく、交通量の削減、大気汚染の軽減、移動手段の提供など、社会全体への効果も期待されている。 本研究では、安定一対一マッチング手法を適用した地方都市におけるライドシェアの可能性と有効性を分析した。分析の結果、ライドシェアサービスへの参加人数を増やし、ドライバー数と同乗者数の適切な比率の調整を行うことで、マッチングの成立割合を維持しつつドライバーと同乗者にかかる負担を最小限に抑えながら走行距離の削減が可能であることを示した。