2026 年 24 巻 1 号 p. 74-84
本研究の目的は,各国の様々な事情の中でも精神疾患患者の基本的人権が否定されることなく確かな看護を提供するための基礎資料を得るために,精神疾患患者への看護の考え方の特徴を異文化間で比較を行うことである.精神科訪問看護に関する動画教材を視聴したインドネシアの看護師14名,日本の看護師20名へのグループインタビューデータを質的帰納的に分析した.両国に共通にみられたのは,単身生活の方への訪問看護は有用であり,訪問継続のためには安定した患者–看護者関係が必要,といった考えであった.患者–看護者の良い関係を持つための方法,身体疾患の成り立ちの考え方,医療チーム内での看護師のポジション,看護職の専門性の考え方には違いがみられた.本来持つ健康な力が発揮されるよう尊厳をもって支援するという点は共通であった.