脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
原著
塞栓性大脳半球梗塞に対する早期外減圧術の有効性
長田 秀夫森 健太郎山本 拓史中尾 保秋大山 一孝江崎 孝徳渡邉 瑞也
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 30 巻 5 号 p. 674-681

詳細
抄録

「目的」塞栓性大脳半球梗塞に対する早期外減圧術の有効性について検討を行った.「方法」当院に入院した塞栓性大脳半球梗塞患者のうちCT上梗塞体積が200 ml以上かつ80才以内の患者94名を3グループ(保存群29名,脳ヘルニア徴候が出現してから手術を施行した後期群33名,脳ヘルニア徴候の出現前に手術を施行した早期群32名)に分類しretrospectiveに比較,検討した.「結果及び結論」1,6カ月後の死亡率は保存群(62.1%,69.0%)と比べ後期群(15.2%,24.2%)で有意に改善した(p<0.01).さらに早期群では良好であった.また梗塞体積240 ml以上,正中偏位8 mm以上は悪性脳梗塞と強く関連していた.6カ月後のGOS,BIは早期群で後期群より有意に改善されたが(p<0.05),後期群は保存群と比べ有意な差はなかった.特に70才以下の早期群は有意にBIの改善が得られた.

著者関連情報
© 2008 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top