脳卒中
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症例報告
脳主幹動脈の再開通なしにrt-PA静注直後より著明に改善した脳梗塞の1例
那須 道高今井 啓輔牧野 雅弘濱中 正嗣武澤 秀理巨島 文子小田 健一郎
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31 巻 (2009) 1 号 p. 29-33

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抄録

rt-PA静注療法の終了直後より神経徴候が急速に改善したにもかかわらず,脳主幹動脈の早期再開通がみられなかった脳梗塞の1例を報告する.心房細動のある83歳女性.全失語と右完全片麻痺のために発症40分で搬入され,来院時のNIHSSは22点であった.頭部CTにてearly CT signはなく,頸動脈エコー検査で左内頸動脈閉塞パターンはなかった.rt-PA静注の禁忌事項はなく,発症より130分の時点でrt-PA静注療法を開始し,170分の時点より意識レベルと右片麻痺が急速に改善した.しかし,直後の頭部MRAでは左中大脳動脈水平部の閉塞が残存しており,同閉塞部位は入院後も早期に再開通せず,最終的に第17病日のMRAにて再開通していた.入院中に症状の再増悪はなく,第23病日に後遺症なく退院した.rt-PA静注直後の症状改善には,脳主幹動脈の再開通以外の機序も寄与している可能性がある.

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© 2009 日本脳卒中学会
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