脳卒中
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原著
軽症脳梗塞の発症早期における再発危険因子に関する実態調査
河野 裕治山田 純生上坂 建太荒木 周藤岡 祐介安井 敬三長谷川 康博古池 保雄
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2010 年 32 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

【目的】本邦の脳梗塞は再発率が高くガイドラインによる危険因子(RF)管理が推奨されているが,実態は不明である.本研究では回復期のRFの管理状況推移を前向きに調査した.【方法】脳梗塞で入院した連続症例中modified Rankin Scaleが0–2を対象とした.入院時と発症6カ月で高血圧(HT)・脂質異常症(DL)・糖尿病(DM)・肥満・喫煙・飲酒・運動不足を調査した.【結果】入院時(106例)RF保有率は,HT 75.3%,DL 65.1%,DM 30.7%,肥満 29.2%,喫煙 62.2%,飲酒 31.1%,運動不足 64.2% であった.6カ月時調査(68例)では,HT 36.8%,DL 29.4%,DM 11.8%,肥満 20.6%,喫煙 16.2%,飲酒 13.2%,運動不足 51.5% であった.【結論】脳梗塞患者は多因子保有者が多く,退院後の管理は不十分であり,RFに対する積極的介入が必要と思われた.

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© 2010 日本脳卒中学会
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